ここ数年、20代や30代の若者の間で仏像がブームになっているという話を耳にしたことがある人も多いかもしれません。これまで難しいものだと思われてきた仏像が、より身近なものになってきています。
もちろん、若者が熱中する以前から、仏像鑑賞はシニア世代に大人気! しかも最近では、若者の仏像ブームを受けてか、以前よりも仏像に関する知識をより深めたいという意欲的なシニア層が増えてきているのだとか。
シニア世代が夢中になる仏像鑑賞について、鑑賞のポイントや仏像の種類について紹介していきたいと思います。
仏像ブームの理由は?シニア世代はここに注目!
ここ最近では、特に若い世代に人気がある仏像。仏像の魅力にとりつかれている若い女性のことを、「仏像ガール」と呼んだりもします。仏像鑑賞を目的としたツアーや仏像関連書籍の売れ行きは好調で、仏像に関するイベントも満員御礼なのだとか。
若い世代は、仏像から感じ取れる癒しや親しみが鍵となっているようですが、シニア層はこれまでよりも「知識欲」を満たそうとする傾向にあるそうです。若者の間でブームが起こるずっと前から、仏像鑑賞はシニア層の趣味の1つに数えられてきましたが、単なる鑑賞ではなくその仏像がつくられた背景にある歴史や技法など、より深い知識を求めるシニア層が増えてきているようです。また、ただの仏像ではなく、国宝級あるいは重要文化財レベルの仏像について知りたい! というニーズが前提であり、それらを鑑賞し学びを深めるためのツアーなどは人気急上昇中なのだそう。
仏像鑑賞のポイントはどこ?
シニア層の趣味とはいえ、仏像鑑賞の面白さや魅力がまだわからない人もいますよね。そんな方のために、仏像鑑賞のポイントを簡単にご説明します。
仏像鑑賞時に見るべきポイントは3つあります。まずは、仏像の「手」です。赤ちゃんの手のように、ふっくら、むっちりしているのが仏像の手の特徴です。赤ちゃんは生まれてくるとき、誰もが純粋無垢の状態で生まれてきます。そのような「無」の世界を仏像に反映させたという見方があります。
次のポイントは、「衣」です。仏像の持つエネルギーや威圧感は、顔の表情や手の動きによって表現されるのではなく、身にまとう衣によって表現されているそうです。そのため、仏像の衣の表現を観察することが鑑賞ポイントとなります。
3つ目は、「光」です。仏像の中には、金泥塗りという技法を使って作られているものがあります。金泥とは、金を粒状にして、仏像に塗っていくという方法なのですが、単に金を塗るよりも、人間の皮膚に近い金色を作りだすことができ、より身近に感じられる存在になるのだそうです。
仏像の種類とは?
ひとたび仏像鑑賞を始めると、仏像にはさまざまな種類があることがわかりますが、まず基本となる仏像の種類を見ていきます。
仏像には基本的に4つの種類があり、「如来」「菩薩」「明王」「天部」と分かれます。「如来」とは仏の中でも最高ランクにあるもので、悟りをひらいたものだと言われています。「菩薩」は悟りを求めるもので、修行中の仏という位置付け。「明王」は如来の命を受け、正しい道に進まないものを強引に屈服させる強い存在。「天部」は、仏像に帰依した外国出身の仏のことです。
仏像は、基本的にこの4種類のうちのいずれかに分類されるため、この分類を知っていると鑑賞した仏像のことがスムーズに理解できます。
いかがでしたか? 仏像は信仰の対象であるだけでなく美術品としても高い価値があり、これらが多くの人を惹きつける鍵となっているようです。一つひとつの仏像をじっくりと観察し知識を深めていくと、学びを得られるだけでなく安らぎも得られるようになるかもしれません。
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