長崎は、江戸時代には「出島」が国内唯一の海外との玄関口として栄えた場所であり、異国情緒あふれる街並みは、これまで数多の旅人たちを魅了してきました。
最近ではNHKの「龍馬伝」や軍艦島の世界遺産登録など、歴史的な側面から注目を浴びることも多くなってきており、歴史好きには堪らないスポットになっています。異国情緒あふれる街並みで、歴史に想いを馳せてみませんか。
西洋とのつながりを感じるならここ!
鎖国時代の約200年間、日本で唯一の貿易港だった長崎は西洋の歴史的建造物が数多く残されています。
出島
約1.5ヘクタールの扇形をした島内にはオランダ商館や住居などがあり、鎖国時代の約200年間、日本で唯一西洋に開かれていた貿易の窓口でした。現在は周辺の埋め立てにより当時の島の形はありませんが、当時の様子を復元するためのプロジェクトが進んでいます。
グラバー園
1859年の長崎開港後に長崎に来住したイギリス人商人グラバー、リンガー、オルトの旧廷があった敷地に、長崎市内に残っていた歴史的建造物を移築しています。幕末当時のグラバーたちの記憶が、長崎を愛し長崎に暮らした貿易商たちの邸宅が、形を変えずに残っています。
大浦天主堂
幕末の開国にともなって造られた長崎居留地の中に、在留外国人のために建設した中世ヨーロッパ建築を代表するゴシック調の国内現存最古の教会堂です。聖堂内を飾るステンドグラスには約100年前のものもあるそうです。日本最古の教会堂として国宝に指定されています。
龍馬を感じるならここ!
NHKで放送された「龍馬伝」により、長崎での坂本龍馬の活躍が広く認知されるようになり、龍馬ゆかりの場所も一躍有名になりました。幕末の長崎で、龍馬は日本の将来をどう考えていたのでしょうか。
亀山社中
土佐藩を脱藩した坂本龍馬が、同志とともに結成した、日本初の貿易会社を兼ねた政治結社。「亀山」は拠点であった「亀山焼窯跡」に由来しており、「社中」は「人が集まるところ」という意味だそうです。亀山社中は後に海援隊に改称され、「三菱」の創始者である岩崎弥太郎を輩出しています。
花月
江戸時代の3大遊郭の一つに数えられた長崎の丸山は、江戸から明治期にかけて国際人たちの社交場でした。幕末期には維新の志士たちの出入りも多く、大広間の床柱にある刀痕は坂本龍馬が残したものと言われています。
また、坂本龍馬直筆の文章などが展示されています。日本でも珍しい史跡料亭として現在も営業しており、長崎名物の「卓袱料理」を堪能できます。
産業革命を感じるならここ!
2015年に軍艦島を含む「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」が世界遺産に登録されました。軍艦島のほかにも、長崎にはグラバー園で紹介した旧グラバー住宅や高島炭鉱、長崎造船所などがあります。
軍艦島
軍艦島は正式には「端島」といい、海の要塞を思わせる外観が、軍艦「土佐」に似ていたことから「軍艦島」と呼ばれるようになったそうです。かつては炭鉱の島として近代日本の産業を支え、多くの労働者とその家族が住んでいましたが、閉山により現在は無人となっています。
平成21年には島の一部のみ観光客の上陸・見学が可能になり、軍艦島上陸ツアーなどにより訪れる観光客は増えているそうです。
今国内でも注目の長崎県。世界遺産を見に行きたいと計画を立てている方もいるかもしれません。世界遺産だけでなく、長崎には外国との交流があったことを示す建物や、歴史上重要になるスポットがたくさんあります。同じ日本でも、他県とは少し雰囲気の異なる長崎をぜひ感じてみてください。
参考: