アメリカのシニアの多くは、ボランティア活動に参加しています。
「ボランティア活動を通じてコミュニティに貢献したい」と考えるシニアを、適した機関やプログラムにあっせんする「Senior Corps」が行った調査によると、アメリカ国内でボランティア活動に参加しているシニアの数は、2,600万人を超えているそうです。なぜ、ボランティア活動は、こんなに人気があるのでしょうか? 今回はその理由とともに、いったいどんな活動が行われているのかを紹介します。
ボランティアで体も心も健康をキープ
ボランティアには、「人を助ける」という根本的なコンセプトのほかにも、多くのメリットがあります。
参加することで、出会いやコミュニケーションが生まれる
アメリカのシニアは本当に元気です! ボランティア仲間でご飯を食べに行ったりイベントに参加したりと、一緒に活動する仲間たちとのコミュニケーションも大切にしています。
体を動かすことで、運動不足の解消、健康維持ができる
ボランティア活動には、学校や病院の受付やお手伝いといったものから、ハビタット・フォー・ヒューマニティーのように、貧しい人のために家を建てるような肉体労働までさまざま。ボランティア活動のために「家から定期的に出る」「体を動かす」ことを習慣的に行うことで、運動不足の解消につながり、健康維持ができます。
会話をする、物事について考えることで、脳の老化が防げる
健康を維持するためには、脳の老化を防ぐことも大切ですよね。もちろん手先を使ったり、脳を鍛えるパズルをすることも効果がありますが、やはり「人と会話をする」「目の前の状況について物事を考える」のように、人との交流で起こる脳の活動も老化防止にはぴったりです。
ちなみに、ミシガン大学が行った調査によると、ボランティア活動をしているシニアの方が長生きするという、興味深い結果も出ています。
調査対象となったのは、1年間に最低40時間のボランティア活動を行っている65歳以上のシニア。ボランティア活動を行っていないシニアと比較した際に、再調査を行った8年後の時点で、ボランティア活動を行っているシニアの方は、40%という高い割合で元気に暮らしている人が多かったそうです。
人気の「ボランティア・バケーション」ってどんなもの?
バラエティーに富んだボランティア活動があるアメリカのなかでも、ちょっとユニークでシニアにも人気のボランティアのひとつに、「Volunteer Vacation(ボランティア・バケーション)」と呼ばれるものがあります。これは地元ではなく旅行先でボランティア活動を行うもので、国内・国外のいろいろな場所で参加することができます。バケーションの行き先の例として挙げられるのは、中国やインド、タイ、ベトナム、ネパールといったアジア諸国だったり、ジャマイカやブラジル、コスタリカといった中南米のエリアがあります。
ボランティア休暇の内容は、「旅行先で現地の子供たちに英語を教える」「環境保護のプロジェクトに参加する」「家や教会、学校など地域の人が必要としている建物の建設を手伝う」など、規模もバケーションの長さもまちまち。人生でこれまで培ってきた経験やスキルを生かしながら、旅先の人との触れ合いや、新しい文化との出会いを楽しめるのが、人気の理由のひとつです。
旅行が好き! 新しい人々との出会いが好き! そんなシニアにぴったりのスタイルのボランティアですね。
人のため、そして自分のためのボランティア活動
シニアライフを充実させる方法として、地域や他人のためになるボランティア活動に参加することは、自分の心と体の健康にとっても良いことです。ボランティア活動の内容や、規模の大きさにこだわる必要はありません。人とコミュニケーションをとり体を動かすことで、人生を楽しくアクティブなものにすることを目標に、やりがいのあるボランティア活動を見つけてみませんか?
参考:
- Volunteer Work: It’s Good for Your Health|HealthDay
- The Many Ways Volunteering Is Good For Senior Health|SUN RISE SENIOR LIVING
- Senior Volunteer Vacations|USA TODAY