補聴器の性能は年々少しずつ改良されているようですが、そんな地道な進化を一気に飛び越えてしまう可能性を秘めているのが「Halo」です。「Halo」を使うためにはまず専用のアプリをiPhone、Androidのスマートフォンにインストールし、耳に装着した補聴器「Halo」とBluetoothを使って無線接続します。それによってスマートフォンの画面操作やアプリによって、従来の補聴器になかったさまざまな機能が使えるようになるわけです。まさに「スマート」(賢い)補聴器と言うことができます。
こんなシーンで活躍するスマート補聴器
まず特徴的なのが、スマートフォン、つまり電話との直接的な連携です。これまで補聴器を使用していると電話がかかってきた際に、電話のスピーカーの音を補聴器で拾う必要がありしたが、Haloなら中継器などを使わなくてもスマートフォンと無線で繋がっているので、相手の声を補聴器で直接クリアに聞くことができるようになります。
もちろんスマホのサウンドもダイレクトに聞くことが可能で、両耳に装着すればヘッドホンのようにステレオサウンドが楽しめます。
そのほかにも騒音と言葉をリアルタイムで分析し、雑音を抑制してより会話をクリアに聞ける「ボイスiQ2」機能、「アキュイティ指向性」で指向性マイクを重要な音源に集中させてリアルに会話音を引き立てることができます。「音響シーンアナライザー」機能はさまざまな環境音を解析して識別分類することで損音を抑えられるなど、補聴器としてもハイスペックな機能を持っています。
専用アプリでより便利に活用できる
スマートフォンと連携する際に、専用のアプリ「TruLink」をインストールします。このアプリがHaloとつながり、コントロールすることで補聴器の性能が更に拡張されます。
例えば、ジオタグ(位置情報サービス)機能を使って、その場所ごとで最適な補聴器のセッティングが自動的に調整され、レストランやコンサート会場などでは、ワンタップするだけで空間のノイズを劇的に減らしたすなどのこれまでにない補聴器の機能が利用できるようになります。
スマホを使ってのリモートマイク機能使えば、スマートフォンのマイクで音を拾って耳元のHaloで聞くことができるようになります。活用シーンとしては、テレビや会議室の中でスマホを事前に設置したり、スマホのマイクを相手に向けるだけでも、スマホのスピーカーで拾った音声を耳元で聞くことができるようになります。どうしても聞き逃してはいけない会話の内容も、スマホの録音ボタンをタップすればボイスレコーダーのように記録することが可能になります。保存した音声はメールに添付して送信することもできます。もちろん自分の声も録音できますから、カラオケや英会話を録音して後から自分の声をチェックするといった使い方も便利です。そのほかにも一定速度でクルマを走らせると自動的にモードが切り替わる運転モードもスマートフォン連携ならではの機能です。
さらには、もしHaloをどこかに置き忘れたとしても、スマートフォンとの接続状況の記録から、どこで接続が切れたか、つまり見失ったかがわかるという便利な機能も用意されています。
アイフォンの音声アシスタント機能「Siri」を活用してもっと快適に
メールやホームページの記事など、文字が小さくて読むのが大変だと思うことはありませんか? そんなときは、選択項目の読上げ機能をぜひ一度使ってみてください。メールやホームページの気になる記事を、わざわざ拡大して見なくても済みます。また、Siriに「メールを読んで。」と話しかければ、読み上げてくれます。
さらに、選択項目の読上げ機能を使えば、好きな小説を朗読させたりすることもできるでしょう。他にも、iPhoneは世界中の言語に対応しているので、他言語習得のためのヒヤリングにも応用できるかもしれません
シニアのお洒落アイテムとして補聴器をアピールできる
「補聴器」のようなシニア向けの機器をスマートフォンのデバイスのひとつとして活用するという発想は、これからも次々に登場してくるはずです。
補聴器というと「いかにも」というイメージが強く、あまり他人に知られたくないという方も多いでしょうが、こんなスマートな補聴器であれば家族や同世代の知人に「こんなのがあるんだよ」と自慢できるようになるかも知れません。
スマートフォン使いこなして、あらゆるデジタルツールの核にできるこれからの時代のライフスタイルは、シニアにとってより便利で快適なものとできるよう、スマートフォンと共に使いこなしてみたいものです。
参考