日本の有名な焼き物を紹介!焼き物鑑賞のポイントは?

日本には各地に焼き物の産地があり、そこから作り出される焼き物の種類は実に様々。日本の焼き物は世界的にも有名で、日本の陶芸職人のろくろ技術は、世界でも「美しい」と絶賛されています。
また、焼き物の中には、骨董品として高い価値のあるお皿もあります。今回は、そんな日本の有名な焼き物の歴史や産地を簡単にご紹介しつつ、骨董品として有名な焼き物についても触れていきたいと思います。

日本の焼き物の歴史は?

日本の焼き物の歴史は実に古く、約1万2000年前に、世界最古といわれる土器が国内で発見されています。現在、日本で生産されている焼き物は、その後の中国や朝鮮からの影響を受けたものが原点になっています。
飛鳥時代にろくろ技術や窯が伝えられたことで、1000度以上の高温焼成が可能になり、割れにくく、水漏れしにくい陶器が作れるようになったのだそうです。

国内の有名な焼き物は?

全国各地に焼き物の産地がありますが、中でも有名な焼き物について、その特徴をご紹介していきます。また、中でも特に骨董品としての価値があるものについては、その点にも触れていきます。

美濃焼

岐阜県多治見市で生産される美濃焼の歴史は古く、平安時代から始まるといわれています。室町時代になるころには、地元の土を使って、手ろくろ成形や、木ベラでの装飾技術も発達し、今に伝わる美濃焼の特徴が現れています。
以前は茶陶がメインに生産されていましたが、時代の変化とともに、日常雑貨や工業用タイルが多く作られるようになりました。また、美濃焼には、日本で唯一国宝になっている茶碗「卯花墻」があります。古墳時代から焼かれていたといわれており、美術館に収められています。

有田焼

有田焼きは、佐賀県有田町で生産されている陶磁器のことを指します。白い磁に中国風の繊細な絵付けが特徴です。ガラスのような滑らかさや、硬質さ、耐久性があり、吸水性がないため、食器に適しています。昔は、有田で作られた陶磁器の多くが、伊万里港から輸出されていたため「伊万里焼」と呼ばれることもあります。
有田焼は、世界では「伊万里焼」の名前の方が有名です。特に海外から人気の高いものは、「色鍋島」と呼ばれるもので、染付をし、本焼きをした白磁の上に赤・緑・黄色を使った絵を描き、再び焼き上げるという手法で作られたものです。かの有名なドイツの白磁の西洋骨董「マイセン」も、伊万里焼をモデルにしたと言われています。骨董品として価値の高いものは「古伊万里焼」と呼ばれるもので、江戸時代に作られた作品が注目されています。

瀬戸焼

一説によると、中国の宋で陶器の作り方を学んだ加藤四郎左右衛門景正が、1242年に瀬戸で窯をつくったのが瀬戸焼の始まりといわれていますが、実は平安時代から陶器の製造は盛んだったという話もあります。「瀬戸もの」といわれる陶器は、この瀬戸で生産されているものです。
瀬戸焼は、独自の釉薬を使用しているとこに、価値があります。代表的な釉薬には、薄い緑糸や灰色をしている、灰釉や、御深井釉で、これらは植物の灰が原料になっているそうです。また、骨董品としての瀬戸焼きは、薄緑色の焼き物が多い傾向があります。

常滑焼

平安時代末から生産が始まったといわれる常滑焼きは、大型のカメや壺などの生産が盛んでした。平安時代に作られた常滑焼は「古常滑」といわれますが、このころは、日本で一番大きな生産地だったそうです。現在は、招き猫や、急須、カメ、壺などの生産が盛んです。

信楽焼

滋賀県甲賀市を中心に作られる信楽焼。信楽焼といえば「狸の置物」というイメージを持つ人も多いかもしれません。信楽特有の土の特徴を生かした、緋色の発色と、焦げの絶妙なバランスで、わび・さびを表現しているのが特徴です。信楽の土は、耐火性があり、可塑性もあるため、大物の焼き物づくりに最適な土だそう。

萩焼

萩焼は、山口県萩市周辺で生産されています。萩焼の特徴は、「貫入」と「七化け」だそう。「貫入」とは、器の表面に塗られた薬が、ひび割れた状態になることを指し、「七化け」とは、その「貫入」が原因で使いこむことで、お茶やお酒がそのひびに進陶し、器の表面の色が変化し、枯れたような状態になることです。素地を生かすため、シンプルな模様のものが多いです。

備前焼

備前焼は、平安時代の須恵器の流れを受け、壺やカメ、すり鉢などが多く生産されてきました。茶褐色をしており、焼締で作るため落としても割れないと評判だったそうです。

いかがでしたか?日本には様々な種類の焼き物があり、古くから作られているものには骨董品としての価値があるものも存在します。実生活に使う器を大切にするのもいいですが、美術品として、焼き物を鑑賞するのもいいですね。

参考:

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